第47章 城駐
瑠璃はそれはそれは疲れていた。
焦る政宗について、雨風の中、陽射しの中、
長い距離を移動したのだ。
自分の家ではないが、ようやく落ち着いた気持ちになれたのだった。
「……」
瞼を上げると
(政宗……)
自分の横に政宗の寝顔。
とても、安らかな寝顔。
旅の間も何度も寝顔を見たけれど、
いつも凛々しい寝顔だった。
(気ぃ張ってたんやね)
瑠璃はモゾッと動いて政宗の温度が感じられる近さに寄って、目を閉じる。
(なんか…にぃ様を思い出すな…)
両側にあった温もりを久しぶりに想って再び眠りに落ちていった……
「‼︎」
何かが触れて、驚いて瑠璃は眼を開けた。
「‼︎ なっ、にっ」
「何が?」
のんびりした声が返って来た。
「………は………政宗…か…」
瑠璃は大きな息を吐いた。