第47章 城駐
「瑠璃様、長旅ご苦労様です」
「菊乃さん。お変わりなく」
「嫌ですよ、瑠璃様が安土に行かれて3年以上ですよ?」
忘れていた。
瑠璃は自らが現代に戻っていた時間、
コチラは2年が経っていた事。
その空白の時間もこの人達は自分の事を想ってくれていたと言う事を。
「私も歳取りましたって!」
「…そんなことっ…」
声が詰まった。
本当は泣き出してしまいそうだった。
帰って来れた事、長く此処を離れていた事を想って。
「瑠璃様、政宗様がご無理を言ったのでしよ?
綺麗なお肌がカサカサです。
お手入れいたします」
此処が湯殿で良かった…と瑠璃は内心苦笑した。
湯浴みをしながら身体を洗われ、その後髪や肌に油を塗り込まれる。
部屋に移ると布団にうつ伏せにさせられ瑠璃。
丁寧な施しを受けるうちに、心地良くて眠ってしまった。