第46章 道中
3日目の朝
「瑠璃起きれるか?」
停泊していた船が出る為、確認に政宗が来た。
「あ、政宗。
今日は大丈夫そうです」
瑠璃 は笑ったが、
「本当か?船出たらまた吐くんだろ」
「もう、吐くものは残ってません…」
「あー…やつれちまって」
「今日大丈夫だったら、もう大丈夫だよ。
ありがとう、政宗」
辛そうだが、それでも微笑する容貌は美しい。
瑠璃はふらつく足で政宗と甲板に出た。
朝の風が気持ちよく靡いている。
「姫さん、大丈夫そうか?」
先頭がやって来た。
「親方、ご心配をおかけして申し訳ありません。
もう、大丈夫やと思います」
瑠璃は柔美な笑みを作った。
「ハハハハ、姫さん、根性あるなぁ。
コレ飲んどけっ、
船酔いに効くらしいぜ」
と徳利を差し出された。