第45章 兆報
獲物を狙う蒼い瞳。
ゾクリとする程、魅惑的な視線。
形の良い唇がほんの少し弧を描いて。
そのどれにも心を掻き乱されるから、
瑠璃はフイッと眼を逸らす。
「俺に抱かれて気持ち良い、って泣きついてみろよ」
ククク…喉の奥で笑う政宗。
負けじと瑠璃が
「政宗が、もっとさせろ、って泣きつくんじゃありませんか?」
先ほどとは打って変わって、フフフと妖艶に笑う。
「ったく…あー言えばこう言うんだから。
言えなくしてやるぞ」
政宗が凄んでみるも
「ん…塞いでよ…その唇で…」
煽られる。
「可愛げのない、強請り方だな」
と言っても、本当は、それがとても可愛いくて堪らない。
(素っ気なさの中に素直さが混ざって、
どうかなりそうなくらい、可愛いんだよ…)
瑠璃のつま先が褥を描き、脚が開かれる。
そして、その脚に政宗の脚が絡まる。
瑠璃の白い腕が上がり、指先が政宗の肩から背中へと流れ、抱き締める。
腰が浮いては沈み、
波打つようにお互いの軀が揺れ、
見つめ合って、口付けをする。
指先を絡め握り、全身で絡まりひとつになり、
全てを受け入れ合った。