第45章 兆報
「どうして、お前はそんなに可愛いんだろうな」
「あははは、政宗はカッコイイですよ」
(用意していた答えだろうか、
それとも、素の答えだろうか)
最近は瑠璃が平素、表情や感情を隠忍する事が少なくなったと、政宗は感じていた。
以前よりちゃんと笑うようになった。
表情も豊かさが見えるようになった。
言いたい事も言うようになった。
その分、悪戯な言葉も増えた。
(まだ、泣かないけどな)
泣かれるのは困るけれど、それでもやっぱり弱い部分を預けてもらいたいと、依然として政宗は思っている。
「お前が泣くのは困るけど、俺の腕の中では泣いて欲しい」
政宗は瑠璃を抱きしめて耳元にそう囁いた。