第43章 最近の姫の日常(R18)
「?えっち、ってなんだ?」
初めて聞く単語に政宗が眼を丸くする。
「えっ、あっ、そ、れはっ…」
「何だよ」
口籠もった瑠璃に悪語かと考えた政宗が、不満気な声を出す。
「教えろ、吐け」
後ろから頬を摘まれた瑠璃はタコみたいな顔にされる。
「ゔー…まひゃむね…ひゃめへ…いふ、いふまひゅ〜〜……しゅけへ…ってことひゃ」
「しゅ……」
声を溢した政宗の手が瑠璃の頬から離れる。
「ぃたぁ〜……そうや、助平を私達の時代ではエッチって言うんです」
「ふーん、そうか…
俺はえっち?でも助平でもどっちでも良いけど……
俺が えっち になるのはお前の所為だからな」
「えぇ〜」
「お前がいるから、こうなるならお前の所為だろ〜」
やっている事、言っている事が
喧嘩でもない、ただの童子のじゃれあいだ。
「お前だって、照れてるけど、嫌じゃないだろ?」
見透かされるのか、
「……」
「欲しいなら欲しいって素直になれよ」
政宗の声も蒼い瞳も、キラキラと輝いて笑っている。
そして、
結局、
絆され懐柔される。