第43章 最近の姫の日常(R18)
それから或る日
政宗が日暮れ前の町を歩いていた時の事。
「やだ、瑠璃様、そんな美人で、
わっちらに 「敵わない」だなんて」
「あー、実は、わっちらの事、見下してるんやないの?」
「そんな事ありません。
あったら、お願いなんてしませんよ」
「ほんまに〜?」
「なんや、悔しいなぁ」
「2人してひどいわぁ」
両腕に遊女を連れて、というよりは両腕を遊女に絡め取られて歩いている瑠璃を政宗は見かけた。
本当の遊女のような雅も品もない派手なだけの着物を着て、底の高い下駄草履を履き、
髪を結い上げ花簪を挿し、
真っ赤な紅を差した華々しい格好の瑠璃。
豪華な遊女が3人楽しげに歩いていれば、
道行く男はもちろん女も
皆が振り返る。
(アイツ、何してんだっ)
政宗は遊女と歩く瑠璃の追跡をそっと開始した。
(長屋?座敷か?)