第42章 政宗、誕生日の噺ー後ー(R18)
妖艶に狂気が見える。
「政宗が命を差し出せと言うなら、
喜んで差し出す。
最悪の選択を突き付け、
政宗が私を犠牲にしたとしても恨まない。
政宗の為なら私の全て、惜しくない」
清々しい程、満足そうな笑顔を見せる瑠璃。
「…俺がお前に、濡れ衣を着せても、
首を切ってくれ、と言っても切るってのか…」
政宗はそっと呆れたような溜息を溢す。
「はい。
それで、政宗が生き延びれるなら。
政宗を守れるなら。
喜んで差し出します」
寸前、政宗に身体を弄られ、怠惰に甘い恥じらいを見せながら微睡んでいた瑠璃が一転、
淀みのない、凛冷の声で言った。
「その答えを幸せそうに話すのはお前くらいだぜ?」
『地獄の底…』それは「死んでも構わない」と言うことだったのだ。
(俺の為に、命をかける、
死んでもいいなんて…)
そこまで想われていたのだと知った政宗は嬉愉と笑う。