第40章 政宗、誕生日の噺ー前ー
政宗は瑠璃の反応を見て愉快そうに笑っている。
瑠璃は怪訝そうな表情で政宗の腹を跨いだ。
「上」
「上?」
政宗の胸の上へ移動する。
「もっと、上だ」
「もっと?……⁉︎」
瑠璃は気付いてしまった。
政宗が何を望んでいて、どうさせたいのか。
「!え?、ヤダっ」
「今日、お前は俺への献上品になったんだろ。
お前に選択権も拒否権もない」
「そんな……」
「そんなもこんなも、お前が自ら、自分を差し出したんだろ。
俺が貰った物は、俺の好きにして良いはずだ」
取って付けた屁理屈を正論が如く説く政宗。
ニヤニヤと意地悪く笑っている。
「……お…おっしゃる通りです……」
残念ながらどうやっても反論の余地がなかった。
(負けたぁーっ…くッ…)
面白いほど悔しそうに、
物凄く政宗を睨みつける瑠璃。
(ククク…負けず嫌い、可愛い)