第40章 政宗、誕生日の噺ー前ー
なんだかんだ言って優しさを見せた光秀の助言を受けてから、瑠璃は信長の天主に来ていた。
「政宗の誕生日にか。
勝手に使え。
ただし、使用人などおらんぞ」
「構いません」
「帰ってきたら特大の花火でも上げてやるわ。
して、お前は何を用意するのだ?」
「まだ決めかねていまして…」
「お前の時代にあって此処にない物はどうだ?」
「どうだ…って………考えてみます」
(もっと具体的なアドバイスしてくれればありがたかったなぁ)
と散々、周囲に聞いた挙句、
一緒に休暇を取って、手持ち花火を一緒に楽しむことにしたのだった。
瑠璃が政宗の誕生日の贈り物について、
散々訊いて回っていた事は、
それよりも前に瑠璃が政宗に直接尋ねたことも手伝って、政宗には気付かれないで済んだようだった。