第40章 政宗、誕生日の噺ー前ー
「政宗に?
だったら、瑠璃さんで良いんじゃない?」
「私?」
「そう!リボンつけて「私をどうぞ」って」
「美弥さん、揶揄ってまー…せんね」
顔が真剣だ。
しかも眼がキラキラしている。
「私が政宗が喜びそうな服作ってあげるよ!」
「…えーと…(どうしよう…)」
美弥のセンスを疑ってはいないが、以前のビキニの件もあって、任せて良いものか悩ましい。
「今度、何枚かデッサンを見せて下さい」
切り返してその場を乗り切った。
「政宗の誕生日か。お前のしてくれる事だったらなんでも喜ぶだろ」
秀吉は真面目に最もな答えを爽やかに出してくれた。
だがなんの参考にもならない。
「政宗?
水に酒でも仕込んでおけ。
面白いモノが見れるやも知れんぞ」
「いえ、私の誕生日ではなく、政宗の誕生日ですよ。
光秀様の案は私の誕生日に使わせていただきます」
瑠璃は案の定な光秀の答えに呆れた溜息を零した。
「では、2人っきりになれる処にでも行ってこい。
ああ見えて、色々気を遣って生きてるヤツだからな」