• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第40章 政宗、誕生日の噺ー前ー





『お前の全部が欲しい』

それは、言葉通りだったのだが、
政宗が欲しっていたのは、
『本当のお前』
どうやったら心を開いてくれるかいつも考えていた。

健やかで伸びやかに見えて、
心の奥は複雑な瑠璃。
美弥みたいに天真爛漫に素直な心だったらどうだっただろうか。
こんなにも全てを知りたいとは思わなかっただろう。
手元に置いて、心の奥まで見たいとは思わなかっただろう。
直ぐに知れてしまう心は簡単だ。
『愛おしい』とは思うが、
自分の全てで庇護したいとは思わなかっただろう。


最近はあまり隠さなくなってきていたが、
まだ卑屈な言い方をする事のある瑠璃。
その心の蟠(わだかま)りや傷をもったまま
自ら一歩踏み込んできて欲しいと政宗は思っていた。



だから、『お前の全部が欲しい』と言った。
もう、長く一緒にいるのに、まだ距離を感じるのが、
とてももどかしく、寂しく思っていた昨今だったから。




政宗は心内、誕生日に何かある事を期待していた。









/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp