第40章 政宗、誕生日の噺ー前ー
「今日、そして今 生きてるのも、
産まれてきたからでしょ。
それは大切でしょうね。
きっと」
「きっと?」
「私、特別祝われたことあらへんからね。一般論かな」
(また、悲しい事、サラッと笑って言いやがって…)
政宗は苦笑する。
「そう言えばお前の誕生日は聞いたことなかったな。
今更だけど、いつだ?」
「私の生まれた時代での日にちは4月24日です」
「お前の時代とここでは違うのか?」
「今、この時代の月を基にした暦ですが、
私達の時代では太陽暦です。
月の暦は旧暦、陰暦 など言われるようになっています」
太陽は陽、月は陰、陰陽五行説を基にした暦だ。
瑠璃は西暦について簡単に説明をする。
「ふーん。
南蛮から入ってきた暦で太陽を基に数えられているのか」
「はい、なので、太陽暦では如月ですが、
きっとこ今この時代の暦だと弥生になると思います」
大雑把に言えば、旧暦が西暦より1か月遅く、
西暦が旧暦より1か月早く、季節が巡ってくる。
そう考えるのが認識しやすいだろう。