第40章 政宗、誕生日の噺ー前ー
政宗の誕生日に合わせ
2人は琵琶湖の近くにある屋敷に来ていた。
瑠璃が攫われ、怪我をした後に湯治を兼ねて来た場所だ。
瑠璃が行こうと提案した。
政宗は乗り気しなかったが、
瑠璃には気にした様子はまったく見られなかった。
或る休みの日に遡る。
光秀と出掛け、火薬の臭いがした時より前の事。
「もうすぐ政宗の誕生日ですね」
「ん?
ああ、そういえば、そうだな」
「産まれたってことより、
今日生きてるってことに一生懸命だから、
あんまり、特別に思わないけど、
お前のいた時代では大切な日なんだろ?
美弥が言ってた事がある」
政宗は美弥がやたら
「誕生日、誕生日」と言っていたのを思い出して可笑しくなる。