第6章 天主での押し問答
光秀は瑠璃の心の奥の、
武器への不安や恐れ、そして、心配、など蟠っているものをきちんと、汲み取っていたのだ。
「信長様は…武器や戦についてどうお考えでしょうか」
(答えによっては新しい銃は造れない)
瑠璃は黙って信長の答えを待つ。
緋色の瞳も瑠璃を窺う。
「戦か……秩序の無いこの世には必要である。…が……無闇やたらにするものではない。人の命が失われるのだからな」
悟った様な、最初から用意されていた様な、そんな模範解答のような言葉。
「大和国の松永久秀は銃は戦を終わらせる物だ、と言っておるようだが」
(それは危険な…)
瑠璃は息を飲んだ。