第39章 月がある部屋(R18)
「お前が泣くから、待ってやってたんだ…さっさと抱かせろ」
酷い言い方に聞こえるが、
それさえも、今の瑠璃には、
もう政宗が焦れて強請っているみたいに聞こえる。
「瑠璃…」
政宗が瑠璃を呼ぶ。
普段、身体の奥に眠らせている瑠璃の官能を呼び覚ますような、艶やかで甘い麝香のような、
脳がどろり と溶けそうな声音で耳元に吹き込まれ、背中がゾクッと震えた。
「ん……」
断る理由もないけれど、
脳と一緒に身体の中心がズクズクと疼き始めて、政宗の声だけで抗えない熱を点された。
もう、瑠璃には断われるはずがない。
だから、瑠璃は、自分と政宗との間でやり場に困っていた手を動かし、硬く誇屹した熱いモノを きゅっ と握り、自ら政宗の唇に口付けた。