第39章 月がある部屋(R18)
どのくらい胸に抱かれていたか
瑠璃が政宗の腕の中で顔を上げた。
「落ち着いたか?」
「はい…ごめんなさい」
「謝ることないだろ。
俺はお前の泣き顔も好物だ」
「可愛くない」
「いいや、可愛い。
だからもっと泣かせたい」
勿論、違う意味でだ。
厳密言えば「喘がせ泣かせたい」になる。
「意地悪」
好きな女を鳴かせたいと思うこと。
泣いて縋られたいと思うこと。
それで男は優越感を満たし、
己の強さを誇示したいだけ。
それが男の性という生き物で、
ただの本能で、女が女らしく乱れ喘ぐ姿にただただ興奮するだけ。
「気持ちいい意地悪しかしないだろ?
まぁ、これからの事は後にして、
今はただ、お前と交わりたい。
お前を抱いて、お前を感じて、
気持ち良くなりたい」
もう長らく触れていなかった。
「溜まってる、と言うと聞こえが悪いが、溜まってる。
お前が不足、欠乏してるって言葉で足りないくらいだから、
やっぱり…溜まってる」
泣く瑠璃を慰めようと、抱きしめたままの姿勢で横にいる政宗が、
至極真面目な顔で、明け透けに隠そうともせず堂々とそう表現するから
「……プッッ、あっははははっ…
そこっ…笑わすトコロですかっっ」
瑠璃は吹き出して声を上げて笑ってしまった。