第39章 月がある部屋(R18)
「責任?
取ってやるよ。
明日、結納するか?
それとも祝言挙げるか?
俺は何が先でも、いつでも構わないんだぜ」
政宗は色香を纏ったまま、悠々と笑を広げる。
度量と器量、包容力を広げて見せる様に。
対して、瑠璃にはみるみる動揺の色が広がる。
「ま、でも、そんな形だけのモノより、
先にさっさと子でも作っちまうか?
くっくくくっ」
あながち嘘でも冗談でもなさそうなその言葉に瑠璃は益々どう反応していいのか判らず、黙り固まった。
「おいおい、固まんなよ。
傷つくだろ」
「え?」
(本気だったの?)
「それくらい、俺はお前のこと、ちゃんと考えてるって事、解っておけってんだ」
「………ぅ………」
じわじわと、なんとも言えない感動が瑠璃の胸に広がる。
「う…………」
「う…?…わっ⁉︎なっ、なんでまた泣くんだよっ」
再び涙を、流し始めた瑠璃に政宗が驚く。
涙が溢れる。
どんどん迫り上がってポロポロと眼の端から溢れて落ちる。
「…ま…さ……ね…だって……」
(この人はこんなにも……愛してくれて…)
嬉しくてどうしようもなかった。
(私は…こんなにも愛されてたんだ…)
涙が溢れてどうしようもない瑠璃を
ハァ…と息を吐いた政宗は、優しく抱きしめた。