第39章 月がある部屋(R18)
早口で、真っ赤な顔で、
「ゔ〜ー……全部、政宗が教えたっ。
政宗の所為だもんっっ」
押し切って睨む。
(なんだ…この可愛い負けず嫌いは…)
大人びて凛としつつも艶な瑠璃は
今、この瞬間、何処にもいない。
影さえもない。
こんなにも子供っぽかったか?と
唖然とするくらい幼稚な物言い。
これが藤隆姫ならただの我が儘の八つ当たりでウンザリだが、瑠璃は別だ。
「政宗の所為やからっ、政宗がちゃんと責任とって!」
涙は目尻に残っているだけ。
ムゥっとむくれても、逸らされず見上げてくる銀鼠色の瞳。
綺麗に澄んだ瞳が政宗を見ている。
(そうだ、全部、全部開いてしまえ。
心の奥底からお前を見せろ。
責任なんていくらでも取ってやる)