第39章 月がある部屋(R18)
「ンッ…瑠璃…ん…」
重なった口付けは柔らかで、
昼間、離宮で交わした時よりも熱くて吸い付くようだった。
(政宗とのキスは…どうして…
…こんなにも、気持ち、良いんだろう…)
頭の芯からか、心の奥からかは判断がつかないが、溶けてユラユラと漂っている様な心地だ。
「お前との口付けは、気持ち良くて堪らないな…」
クチュと音をたてて
唇を離した政宗は、一気に色を纏い、
劣情を漏れ溢しているのに、
何故か、厭らしさの一片もない。
憎らしいほど爽やかだ。
けれど、瑠璃は爽やかに見える政宗にも陶然と淫心を煽られる。
「…私も……政宗だから……」
「そうか、お前だからか」
政宗が納得したみたいに吹笑する。
お互いがお互いを求めるから。
心が引き合うから。