第39章 月がある部屋(R18)
頬に掌を滑らせ、
首、鎖骨、円胸、脇腹から腹の上を撫で下す。
肌の感触、その形、瑠璃の身体。
隈なく堪能する事で、自分のものだと言う事を実感し、淫乱な恍悦感に浸る。
この時代の燭台の薄明かりでは、
本当に距離が近くないと互いの表情は見て取れない。
政宗の弧を描く唇が瑠璃に見えるのは、
今にもソレが落ちて来そうなほど近いからだ。
この唇も、禽獣のように鋭い眼も、全部
(私にしか反応しないんだ)
優越感が生まれる。
「今だけは、私のことだけ考えて」
瑠璃が手を伸ばせば、呼応する様に政宗が身を屈めてくる。
(お前こそ、俺だけを考え、俺だけを見ろーーー.…)
家康に抱き竦められていた瑠璃の姿が脳裏に浮かんだ。
胸が痛いほど締まって、
その残像を消し払うように、瑠璃に口付けた。