第38章 晴れの離宮
政宗は状況を説明した。
瑠璃が避けていたから。
書庫では驚かせようと思っただけだった。
嫌そうにするから腹がたった。
でも、
「もう行って下さい」と言われて傷ついたとも。
瑠璃も
藤隆姫につきっきりの政宗を見たくなかった。
身体だけ欲しがられたみたいだった。
遠くに藤隆姫の声がしたから
「もう行って下さい」とだけしか言えなかった。
と説明した。
「…お前、怒ると根に持つ性分だな。
この俺がこれ程 説明してやってるのに」
「政宗のソレは弁明で弁解です。
説明ではありません。
私の納得いく言葉をくれれば、納得します」
それは当たり前だ。
けれど、屁理屈だ。
「複雑過ぎてめんどくさいな、お前」
「今更でしょう?
私は美弥さんみたいに単純やあらしまへん」
「あー、開き直ったろ?
じゃぁ、お前、湯殿でのことはどうなんだ?説明してみろよ。
案外隙だらけのくせにっ」
もう、売り言葉に買い言葉だ。