第37章 憎悪の結末
山を降りた時には出血は止まっていた。
血を洗い流した時、また出血したくらいだった。
「藤隆姫もとても反省されてるでしょうから、もういいでしょう?」
ピリピリと張り詰めた気、凪がない政宗の隣りに膝をつく。
「それに相手はまだ、童女のような女性ではありませんか」
諫めるも
「それでも、俺はお前を傷つけるヤツは誰であろうと容赦しない」
憤怒の瞳で語気を強める。
(私は…)
「政宗が見せる酷殺の眼も、狂気も怖くない。
私の為に怒ってくれることも。
想われてるんだって感じるから、
好きです」
優しい口調、恥ずかしげな表情。
「でも、私以外の女の人に笑いかけるのも、優しく接するのも、好きじゃありません…」
表に出さないようにしていた。
だから政宗を避けていた。