第37章 憎悪の結末
ハァァ〜…
「アンタね…
何でも身体張れば良いってもんじゃないでしょ」
家康が瑠璃の頭に包帯を巻きながら、大きな溜息を吐いた。
「あんな幼稚な嫉妬に付き合う馬鹿、
美弥とアンタくらいだよ」
チクリと嫌味を放つ家康に、
うふふふ と笑うだけだった。
「…政宗…」
手当を受けた瑠璃が離れに戻ると、
政宗が縁側に座っていた。
瑠璃の声に政宗が顔を上げる。
「瑠璃、頭、大丈夫か?」
殺気を纏ったままの政宗が、硬い声で安否を確認する。
「私のこと、心配してくれるんですね」
瑠璃はクスクスと意地悪に笑う。
「当たり前だろっ」
揶揄われて政宗は声をあらげる。
どんな事にも動じない政宗が、
自分の小さな怪我ひとつに、
酷く不安になり瞳を揺らす。
(こんな政宗、貴女は知らないでしょう?)
強気な藤隆姫を思い浮かべ、
瑠璃は冷たくも優越の笑みを溢した。