第37章 憎悪の結末
「(に…さ……)」
藤隆姫の息を吐く声に政宗が再び鋭い眼を向け、
左腰の脇差しを抜いた。
銀色に煌めくその切っ尖が
今手が離れた喉に突きつけられる。
「(ヒッ……)」
姫は引き攣る顔で身を硬くした。
まさか、大好きな政宗に刀を突きつけられるとは思ってもなかった。
短くて長い刻
微動たりとも出来ない藤隆姫
涙が溜まり、溢れる。
けれど政宗はお構い無しで本気の殺気を放つ。
鳴き声もなく、涙だけがハラハラと頬を滑り流れた。
「ひ、と…殺し……」
藤隆姫の掠れた声。
張り付いた声がようやく声になった。