第37章 憎悪の結末
「政宗っ!!」
瑠璃は慌てて政宗の身体を背後から抱きしめた。
(殺す気なの?)
「もうやめて」
静かに言うと
殺気を全開にした政宗が振り向いた。
「本当に死んでしまいます」
諭すように、神経を逆撫でしないよう、
それでも真っ直ぐ政宗の瞳を見て、
痛みを堪えながら冷静な声で瑠璃は声をかけた。
の、だが、
「ハッッ、じゃぁ、なにか?
お前は死んでも良いのかよ」
怒りの矛先をすり替えられて、話にならない。
「お前はいつも俺以外を優先するんだ、
気に入らねぇ!」
藤隆姫の首を押さえていた腕を払って瑠璃を後ろへ押しのける。
藤隆姫への怒りは一変、瑠璃へ向かった。
ヒリヒリと追い詰められそうな殺気を、
真正面からぶつけられても、瑠璃は恐れない。
「コイツはお前を傷つけたっ。
この世で1番大切なものを!」
(に…兄様は……)
狂愛を見せつけられた。