第37章 憎悪の結末
「まさ……」
「いくらお前でも、瑠璃に手を挙げるなら許しはしねぇ」
瑠璃は政宗を呼ぼうとしたが、
政宗の声で止まった。
面倒臭がっていたのに満更でもない様子で接していた政宗。
その政宗が本気で怒りをみせている。
(政宗…)
「藤、俺にはお前を殺す事くらい容易いぜ」
「ゔっ!ゔ…ぐ…ガッ…」
ゆっくりと力を込められた姫が喉を上げ、
詰まった声を溢した。
「お前の所業は全部聞いた。
お、れ、の、客人のくせに大それた事してくれたな」
言うと同時に政宗は更にグッッと手に力を込めたのだ。
「ハッ……」
一瞬、完全に姫の息が詰まる。
が、
「誰であろうと、瑠璃を傷つけるヤツは容赦しねぇ」
「ま"…ぁ"……」
出ない声を必死に出そうと自由になる手で、
首にある政宗の手を握る、苦しそうな藤隆姫。
そんな様子は政宗には見えていないようだった。