第37章 憎悪の結末
「キャッ」
「アンタなんて大嫌いだって言った‼︎」
尻餅をついた瑠璃の上に藤隆姫が跨って乗る。
「綺麗で上品で、澄まして!
そのくせ、誰にでも好かれて‼︎
最初っから嫌いだったけど、益々嫌いになっていったっ。
政宗兄様もアンタが好きだって、
私を見てはくれなかった!
アンタなんか居なきゃいいのよ‼︎」
藤隆姫は言いたい放題を叫び続けて、
眼についた物を手に取り握った。
どうしてこうも藤隆が激しい憎悪に駆られているのか、瑠璃には解らなかった。
頭では解っている。
全て自分の思い通りに成らなければ気が済まない、それを自分が妨害している。
そして、政宗の事が好きで、大好きで、自分を疎んでいる。
理解はしている。
けれど、瑠璃は激しい感情を持ちにくい、だから、彼女が激昂しているのが、
他人事で共感出来ないのだ。
冷静に藤隆姫を見る。
瑠璃のその態度も姫を苛立たせていた。