第37章 憎悪の結末
問題になっても構わないと思っていそうなくせに。
「ねぇ、光秀様、あんな女には」
光秀に笑いかける。
「「恩を売っておくのも悪くない」でしょ?」
クスクス…
異口同音を唱えた。
「本当、中身は光秀さんまんまだよ」
意地悪をされ、所有物を壊された瑠璃を内心、心配していた家康は呆れつつもホッとしていた。
秋の日暮れはすぐにやってくる。
瑠璃は安土ほ裏山を急ぎ足で歩いた。
深くない山だが、琵琶湖に注ぐ沢も崖もある。
落ちたりすれば大怪我の危険がある。
(また私の所為だと言われても困るし…)
落ちれば落ちたで、
探しに行かなければいかないで、
全て瑠璃に擦り付けてくる可能性は大いに考えられた。