第37章 憎悪の結末
「そう言えば、俺の処にも来たぞ。
出かけるのを一緒したいと言われたので、
軽く脅しておいた。クク」
軽くかどうかは怪しいな、と皆思った。
可笑しそうな光秀を横目に家康が溜息を吐く。
「兎も角、コレを野放しと言わず何と言うんですか、政宗さん」
「政宗…本当に何も知らなかったんだ…」
「あの娘に付きっ切りだったら、知らないに決まっている」
光秀は政宗に嫌な笑いを向けた。
「政宗、一度も瑠璃さんの処に行ってないの?
政宗ひどーい」
美弥がわざとらしく加勢した。
「仕方ないだろっ」
「あー、自分の不甲斐なさを仕方ないで済ませるんだ〜。
ありなーい」
今日の美弥は意外に辛辣だ。
そんな会話の間、静かに瑠璃がその場を離れようとしているのに気付いた光秀。
「瑠璃、何処へ行く」
「…やっぱり…
藤隆姫を見つけないと」
瑠璃は苦笑している。
「あんな女、心配する必要ないでしょ」
家康が冷言を放つ。が
「心配だからなんて言いましたか?」
「え?」
「見つけて締め上げてやろうとか…ふふふふ」
冗談か本気か全く判らない。
「でも、もし、何かあったら問題になるでしよ」