第37章 憎悪の結末
ジャラーン‼︎
立ててあった琴 2枚を力任せになぎたおし、
「こんな物っ、こんな物ーっ」
花切り鋏(はさみ)を持ち出すと弦を挟んだ。
バチンッ、バチンッ
強く張った弦が切れて爆ぜた。
「美弥、どうしたの?」
「あ、家康、藤隆姫の様子がおかしいって、
政宗が慌てて追いかけたの。
私達も行こう!」
「…そんな、野次馬…」
呆れつつも、野次馬美弥の後に続いて家康も歩き出した。
慌てて戻った政宗が見たのは、
散惨な瑠璃の部屋。
「な……」
あらゆる物が床に散らばっている。
着物、帯、飾り。
割れた茶器、花器、
バラバラになった書物だっただろう紙。
そう多くない瑠璃の持ち物。
「何やってんだ、藤‼︎」
慌てて止めに入っても、
「こんな物っ、あんな女‼︎」
弦の切れた琴の胴に何度も何度も鋏を突き立てる。