第37章 憎悪の結末
もの凄い形相で城庭を歩く藤隆姫を見かけた政宗が、変に思って呼び止める。
「藤、どうした?何処へ行くんだ?」
「……」
返事もない。
立ち止まりもしない。
「おいっ、藤、待てよっ!」
腕を掴んで引き止める。
政宗の見た藤隆姫は、
怒りつつも泣きそうな顔をしていた。
「何があった?何処へ行く?」
どんなに面倒臭い女だとしても、
幼い頃は妹の様に思っていた藤隆姫。
流石に放っては置けなかった。
「御殿に戻るだけですっっ。
放っておいてっ」
そう言い放ち、政宗の手を振り解いた藤隆姫はまた歩き出した。
ガッシャーン!
ガタッ、カタン!
ガシャ、ガシャッ、ガッシャーン‼︎
瑠璃の部屋から大きな物音が響く。
慌てて駆けつけた女中達が悲鳴を上げる。
「きやぁぁ、姫様っ、おやめくださいっ」
「キャッ!なんて事っ!」
「姫様っ、おやめ下さいませ!」
口々に止めるが
「うるさい‼︎我に指図するではないっ!」
やめるどころか、錯乱したように手当たり次第、部屋の物をぶち撒ける。
「おやめ下さいませ!それらはっっ」
「コレもっ、コレもっーっ‼︎」