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《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第36章 嵐 天主へ寄る




「瑠璃殿が、こ、こちらを、信長様に食していただきたいとおっしゃられて…」
「用受けしたと言うのか」
「は、はいっっ、私に、届ける様にと」

(瑠璃も美弥もこれまで一度たりとも、自分の用を他人に任せた事はなかったが…ククク…)

信長は縮こまっている藤隆姫を冷笑と見下ろし、声をかける。
「そうか…ならば、それを、貴様がこちらに持って来い」
信長の威厳のある声で強調された「貴様が」と言う言葉に、藤隆姫がバッと顔を上げ、
凍り付いたような表情を一瞬だけ見せた。


その一瞬の表情の変化を信長が見逃す訳がなかった。
姫はなんとか震えを抑えた手で膳をもちあげると、擦り膝でやって来た。


「ほぅ…葛切りの黒蜜かげか。
…美味そうだ…が」
「‼︎」
信長は突然、藤隆姫の腕を掴むと
ガシャンッ
葛切りを乗せた膳がひっくり返る。

「キャァッ」
強く引っ張り、自分の腕の中へと引っ張り込んだ。
「なっ、なっ、何をなさるの!」
青、赤顔。
怯えながらも憤慨した様子で、
相手が信長と言うことなど忘れたように声を張り上げる、藤隆姫。
「何を、だと?」
信長は眼を鋭くしながらも、姫の反応を可笑しそうに笑いながら伺う。





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