第35章 嵐 顕現
(間違いないの?)
(間違いないよ、私、瑠璃さんのファンなんだからっ)
(ふぁ、ん?)
(と、兎に角っ、間違いないの。瑠璃さんのだよっ)
政宗にキャッキャと話している藤隆姫を皆が注目した。
美弥がじっと政宗を見ていると、政宗と目が合った。
「‼︎」
「美弥、コイツの事頼む」
「あっ、はっ、はいっ!」
(あ、返事した)
家康が呆れ顔になる。
ククク…
フフフ…
信長、光秀、三成は笑いを堪えた。
(あ"〜ぁ〜私の馬鹿……)
「じゃなぁな」
政宗は、ポンと藤隆姫の頭に手を置いた。
感情の読めない顔で。
けれど、その様子に瑠璃は何故かグッと胸が詰まった。
が、
「玉瑛。お前は俺と来い」
と言われ
皆が顔を見合わせるなか、瑠璃は冷淡な表情で頭を下げた。