第35章 嵐 顕現
(美弥様も瑠璃様も純心純粋ですからね〜)
(三成、そう思うのか?)
(はい、違いますか?)
(美弥は純粋ではなく、単純と言うのだ)
(‼︎ 信長様っ、いつの間にッ!)
(あんなあざとい女なら俺はコイツをとっくに切り捨てておる。フフフ…)
小声で話していた美弥と武将達。
(政宗は気付いてないのかな?)
(さあな)
(猫被り過ぎててわかんないんじゃないですか)
家康が刺々しい口調で言った。
(ん?)
(どうした美弥)
(あの帯留め…前に瑠璃さんがしてたと思うんですが…)
藤隆姫の帯留めを見た美弥が訝しむ。
瑠璃の感性(センス)か、政宗の感性(センス)かは分からないけれど、美弥は瑠璃が身に付けている物、配色、能力、全てを仰望し心酔しているから、
忘れるはずがなかった。