第34章 書庫での哀苛(R18)
はぁぁーー…
深呼吸と溜息を混ぜて、大きく息を吐き出すと、板壁に身体を預けた。
弾みで、ゴンと頭も壁に当ててしまった。
鈍い痛みにか、心の痛みにか、
じんわりと涙が上がって、鼻のがツンとした。
瑠璃は剥き出しの脚のまま、
丸まる様に壁に沿って身を竦めた。
どのくらいそうしていたのか、
「…さま?いらっしゃいますか?
瑠璃さーーう?え?ああっ⁉︎」
入って来たのは三成。
書庫へ本を戻してくるよう頼んだのも三成。
瑠璃がなかなか戻らないので様子を見に来たのだ。
「あっ、あのっ…瑠璃様っ…どど、ど…なにがっ…」
吃りながら、火を吹くほど赤い顔を背ける。
「……」
(ああ…そうか……)
瑠璃には珍しく、心が停止していた。
「三成様……申し訳ありません…すぐに着ます、ね」
そっと笑った瑠璃。
(そんなに泣いているのに笑うんですか)