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《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第33章 撹嵐の姫君




(何も…言葉さえも交わしていないのに、
大キライ…か……)

ある程度予想していたけど、
心がずっしりと重くなった。

それは、
同じような事をたくさん思い出すから。

瑠璃は唇を噛むようにキュッと結んだ。

(誤解や、やっかみ、嫉妬なんて、ウンザリなのに…)

だから口を噤んで生きて来た。



『人の彼氏に手ぇ出すなんて』
『色目使ったの?』『最低〜』

『大人しそうなフリして、姑息なのね』

『お金でしょー』

『ちょっと美人でお嬢様だからって、
いー気になってんじゃないわよ』


(高校の時は酷かったな)

発端は誰であれ、毎回
当人ではない女子に囲まれて責められた。

彼女も彼女達も彼氏も顔なんて知らなかった、
けれど、

(私のせいだって言われた)

家も容姿もお金も、何の関係もない物まで引き合いに出され、責められ、けなされた。
大学生になるまで何度もそんな事があって、
流石に悲しくなった。


プライドか、負けたくなかっただけか、
『話が済んだのでしたら、私はこれで』
と心の痛みを堪え、静かな声でそう告げ、
腹立たしい気持ちで、けれど澄まし顔で廊下を歩き切ると、誰もいない図書室へ隠れた。


思い出したくなくても、思い出してしまった。






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