第33章 撹嵐の姫君
聞く方も、言う方も辛いのだ。
(本心でもない事だが、瑠璃が誤解しないとも限らない…)
瑠璃は解ってくれていると信じていても、不安になる。
申し訳なくなる。
「…兄様の言うことはっっ、分かりました……
でもっ、私より歳も多く、可愛くもない人なんて……」
(え…今、なんて……)
瑠璃は唖然とした。
「私は認めないっ、絶対、認め…ないっ!」
啖呵を切ると、姫は部屋を出て行こうとバッと立ち上がった。
そして、瑠璃の前で立ち止まると、
嫉妬と怒りの形相で見下ろし
「アンタなんか、絶対認めない!
大嫌いっ‼︎」
と捨て台詞を放つと、背を向けていってしまった。