• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第31章 雨降り前の夜(R18)




(多分、こんな気持ちも初めてや)

知らなかった気持ち。

それは、愛着、執着、独占欲、
そんなものを持ったことがなかったからだ。

家と母に縛られ、そう言う感情を捨て、
忘れざる得なかったから。


「瑠璃…こっち来い」
政宗か瑠璃を呼べば、瑠璃は静かに膝を滑らせ間を詰める。
近づいた瑠璃を政宗はおもむろに抱きしめた。

(何で?)

そう思った次瞬、
「本当に、ずっと独りたったんだな、お前…」
そう言われた。

(独り?)

「大切な友も、物も、何も持たずに来たんだな」

(あ…そうや……)

「可哀想ですか?」

抱き合ったまま、背中に話をする。

「いや、別に。
すげぇなと思っただけだ。
無欲、無心なんてそんなに簡単にはなれるもんじゃないだろ。
ほら、俺なんて特に、なっ?」
政宗は自らを引き合いに出す。
「………」

(褒めてるんか、慰めてるんか…よぉ分からへんけど……)




/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp