第30章 奥州からの一行
「家康でもない、光秀でもない…」
「私は秀吉様の家臣ですので」
「三成、それは分かってるから。って事はー…「信長様っ」」
外から声がかかった。
「目通りを願うものが参っておりますが、
いかがいたしましょう」
「何処からだ」
一同、答えを待つ。
「…奥州伊達領から、との事で御座います」
皆、一斉に政宗を見た。
「⁉︎っ、俺だって知らなかった事だからなっっ」
政宗が慌てて釈明した。
「………」
政宗はへの字口に眉間に皺を寄せて黙っていた。
広間には20人ばかりの来客が並び、
その先頭、上座の信長の前には、
姫がひとり、拝座している。
「……」