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《イケメン戦国》未来から来た戦国姫
第28章 狐の残謀と逃げる兎
光秀の背に、ヤダケがサヤサヤと揺れて話しかけている様だった。
それに答えたのか光秀が唇の端を上げ言った。
「お前達に任せる。既に残喘だ」
誰に見取られる事もなく静かに、
朽ちてゆくのを光秀は想像した。
涙のみ 恥忍びれども 到来す
栄華の影り 幽埋の時
「誰かが側に居ても居なくても、最後はいつも誰でも独りなのだ…」
笹竹の葉の音に光秀の言葉は紛れて消えた。
※残喘…ざんぜん/虫の息、息の浅いこと。
※幽埋…ゆうまい/人知れず埋める。
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