• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第25章 強く在れ




そして、尚、優しくも力強い声音で語る。
「家康様…過去は過去です。
大丈夫、もう、家康様は力の無い幼子ではありません。
未来を切り開ける力をもった、強い人です。
大丈夫…」
「瑠璃…」
瑠璃の背に回した家康の腕に力が籠る。

(判らないけど……童女の頃、アンタも傷ついたんだって、ことは、判る……)


「大丈夫…大丈夫ですよ」
そして、瑠璃はただ、そっと、包むようにふんわりと家康を抱きしめて、
先程とは打って変わって、
深い慈愛の声音で詠う様に言った。

(傷は似ているのに、君は、本当に強い)

家康の心の棘を抜く。

(たくさん刺さってるなら、少しでも抜ければ良い)

瑠璃は1度だけ、そっと家康の背中を撫でた。





「おい、家康。
今日、弓術場に行ったか?」
「いえ」
夕刻、秀吉が顔を出した。
「何かありましたか」
「弓の弦が切れたんだが…どうも………」
秀吉の話では、弦は刃物でギリギリまで傷つけて切れるよう工作がしてあった。と言う。





/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp