第25章 強く在れ
「呼ばれているだけで、来るかどうかは分からないんだぞ」
秀吉さんが俺を宥めながら説き伏せようとする。
けれど、
(顔を合わせでもしたら、崩れてしまいそうで…)
怖くて。
だから、
「絶対行きませんから、それに、
政宗さんが行くんだからもう、いいでしょう」
拒否した。
「家康〜」
秀吉さんも思う処があるんだろうけど、
「秀吉さん、お節介は迷惑です」
跳ねつけた。
その時
「秀吉様、もうよろしいでしょう」
瑠璃の冷めた声が割って入って来た。
「「瑠璃?」」
秀吉さんと政宗さんが、驚いている。
「私と政宗、信長様だけで十分です。
嫌がってる人が一緒なのは迷惑ですから」
棘のある言い方をして俺を見た。
(笑った?)
笑ってなんかいないのに、
瞳の奥で笑われたようだった。
「まっ、それもそうだな。
あそこに大人数で行く必要もない」
政宗さんも賛同したせいでこの話は、
ここでお開きになった。
正直助かった。