第20章 嫌ワレ毛虫来客ス
「政宗様、瑠璃様をお受け取り願えますか」
瑠璃を背中から政宗に渡す。
三成は自分に代わって政宗に横抱きにされた瑠璃を覗きこむ。
「貴女は本当に奥ゆかしい人ですね」
政宗の腕の中で眠る瑠璃の前髪を横に分けて温眼に微笑んだ。
「それでは私はこれで失礼いたします」
三成は三成らしく爽優と頭を下げて帰って行った。
湯で埃を落とした政宗は、
机に向かって文箱の文を読んで、
すべき事をしていた。
「ん…」
(⁉︎、私…)
瑠璃はゆっくりと身を起こす。
「よお、起きたか。
三成がおぶって来てくれたぞ。
明日、礼、言っとけよ」
声の方を見ると政宗が悪戯に笑っている。