第19章 氷も溶ける甘味なコト(R18)
笑われたと思うと
「いつまで、下向いてんだよっ。
いい加減、俺を見ろって」
グイッと手を引かれ、ボスッと政宗の腕の中、
膝の上に、あっ と言う間に着地していた。
「えっと……怒らない?」
政宗を見上げで恐る恐る問えば、
「怒らないけど、心配はした。
少し出かけるっていったきり、帰ってこなかったら、心配するに決まってる」
「ごめんなさい」
真剣で優しい蒼い瞳に射抜かれ、
私はそれに促されるように素直に謝った。
「よし、お前から口付けてくれたら許す」
「⁉︎」
政宗らしいというか、いつも通りに仲直りのキスを強請られた。
それがなんだか、嬉しくて、
私は胸を甘く締め付けられた。
何があっても、結局は許してくれる。
それは無条件に与えられる
(愛情…)
嬉しかった。
私にはなかった。
与えて貰えなかった、
手が届かなかった。
自分が思っていたより飢えていた。
いつも欲していた。
(愛されたい…思い)
心地好い。
気持ちいい。
温かい……気持ち。
(今はこんなにも与えられて)