第19章 氷も溶ける甘味なコト(R18)
口では平然と語り、嫌いだと言っても、
瑠璃は両親に、特に母に認められ、
愛情を受けたがっていた。
それは、瑠璃は本当は母を好いていたから。
だから傷つきながらも必死に忍耐していた。
嫌われたくない、愛されたい、けれど、叱責されるかもしれないと言う不安。
大好きで大切な人の前では緊張もする。
そして、それ以上に不安になる。
「…瑠璃…俺が怖いか?」
「⁉︎ そっ、そんな事っ」
ビクッと軀を揺らし、慌てて否定する。
(ちょっと、意地悪だったか?)
不安そうな顔が更に不安そうになったのを見て、俺は申し訳なくなった。
「大丈夫だ、怒ったりしねぇよ。
怒るために2人っきりになったわけじゃない。
難しい話も俺は得意じゃないって、知ってるだろ」
ニッカリ笑って見せると、瑠璃はようやく緊張を解いたように見えた。