第18章 かき氷大作戦2
「冷たくておいしーーぃっ」
少しずつだけれど、城に上がってる人達と削り氷を分けて食べる。
美弥が夏の青空へと歓声を放った。
「今年は食べやすいの、用意してくれて助かった」
家康の呟きに美弥が笑う。
「それは瑠璃さんの考えだよ。
宇治金時!
甘いの苦手な人にって」
それを聞いた家康が瑠璃の方へ視線をやる。
城の女達に囲まれて麗美な笑顔を見せている瑠璃。
(⁉︎)
銀鼠色の瞳と家康の碧の瞳がぶつかった。
「つっーーっ ////」
家康は慌てて顔ごと視線を外した。
「家康様、どうですか?」
「悪く、ない」
ふふふ…
「良かった」
瑠璃が甘く笑った。
案の定瑠璃に声をかけられ、
家康が素っ気なくつっけんどんに答えたのは
照れているのだと瑠璃はもう、とうの前に知っている。
だから、優慈に笑うだけだった。