第18章 かき氷大作戦2
眼を吊り上げたり、情けない顔をしていた秀吉も笑って、
「光秀さん、全部乗せしないでくださいっ、味わって食べて下さいよ〜」
「軀が冷えれば何でも良い」
「光秀様、冷え過ぎると腹痛をおこしますから、ほどほどにして下さいね」
他の武将も楽しそうに笑って、信長も上機嫌。
「皆を楽しませるのは美弥以上に上手い者はおらんな」
声を上げ笑った。
美弥が政宗の袖を引っ張った。
「ん?……あぁーー…」
木陰の下、瑠璃を抱き上げ、政宗はゆったりと歩く。
とても愛おしそうな眼差しで見て。
「寝てしまわれたんですね」
三成が微笑する。
「徹夜のうえ、ずっと馬を走らせていたからな。
疲れたのであろう」
「美弥は眠くないのか?」
信長の説明に不思議そうに秀吉が問う。
「コイツは俺の馬の上で眠りこけておったから、眠くは無いだろう」ククククッ
「のっ、信長様っ、バラさないで下さいよぉ」
恥ずかし気にプンプン怒る美弥に、
また皆が笑う。
美弥の突拍子のない発案、行動に振り回されつつも、安土城内は今日も平和に笑い声が響いた。
寝不足に日夜馬を駆けさせて疲れた瑠璃は後日、暑気あたりで数日寝込む事になった。