第18章 かき氷大作戦2
「兄貴、今回は多めに運び出すんスね」
「ああ、頼まれ分もあるからな」
「乗せ終わりました!」
「よし、急いで戻るぞ」
氷を乗せた2台の荷車を押し、男たちは勇んで室から出ると、
アジトへ戻るだけーー
が、
「あそこには戻れねーぜ」
外では、幸村が捕まえた筈の守り番を左右に従え、腰に手を当てて、少年のように笑って待っていた。
郷八と仲間達が肩を震わせ青くなったり赤くなったりしている。
「〜〜ぬ"ゔーーっ。きっさまぁ!
何のつもりだっ!
見届け役として来たんだろうが💢
何してやがるっっ」
幸村に向かって郷八が喚き散らす。
「何って…いや、俺、誰の見届け役とか言ってねーし?
お前達の事守ってやるとも言ってないだろ?」
何食わぬ顔でケロっとした様子。
「お前ぇぇっ!
よくもいけしゃあしゃぁとそんな事言えるなっっ」
「そうだ!助太刀するって言っただろうがっ」
盗賊達は怒りに口々と難癖をつけてくる。
「いや、でも、それ、アンタらが皆して断っただろ」
ああ言えばこう言う、
口達者な幸村はなぜか楽しげに笑っているだけだ。