第18章 かき氷大作戦2
同じ部屋で寝ていた瑠璃は真夜中、
政宗が布団を抜け出し、出かけて行くのに気付いた。
けれど寝たふりで見送った。
(自由で楽しくあれば良い。
貴方がしたいように…)
瑠璃はそう思いながら、また眠りについた。
それでも、やはり、朝、心が落ちつかないから、弓を弾きに行った。
いつもと変わらず、平然として見えるのは瑠璃が努めてそうしているからだ。
『心が乱れれば動作も乱れる。
どんな時でも冷静であるよう努めなさい』
幼い頃から教え込まれ、躾られた。
『動揺は抑え隠しなさい。
覚(さと)られてはなりません。
足元を掬われますよ』